歴史

トリマルキオの饗宴

『ローマ帝国の神々』と同じく、id:mallionさんが先に読まれていた本(http://d.hatena.ne.jp/mallion/20060313)。 古代ローマ帝国の小説『サテュリコン』の内で現存している『トルマルキオの饗宴』の部分から、当時の社会や風習を解説した本。 『トルマル…

ローマ帝国の神々

読了 id:mallionさんが既に読まれていた物(http://d.hatena.ne.jp/mallion/20060309)。 古代ローマ帝国で信仰されていた各種宗教について、よく採り上げられるギリシャ・ローマ系とユダヤ教、キリスト教のみならず、簡単に語られるだけの事が多いエジプト系…

織田信長合戦全録

先日読んだ『信長軍の司令官』の著者の前著。 まず何より価値があったのが、変に想像を働かせるよりも、徹底的に資料を読み込み、その位置付けや信頼度などを検証した上で論じている事。 著者は信長の、特に前半の強さの核は、速攻と強力な直属部隊の要請維持…

信長軍の司令官

読了 信長の軍が、初期の小大名状態から大勢力になった頃までの、組織編成の変遷や構成等を述べた著作。 個々の武将についての経歴や仕事、位置付けについて、よく見る人物紹介より突っ込んで、やや違った観点から評しているのが面白かったです。 美濃と戦って…

明治デモクラシー

読了 大正ならぬ明治の自由民権等のデモクラシー運動。 外国進出への危機感からとにかく大慌てて新政権、新社会を打ち立てた後、後付け的に理念を模索した当時の人々の思想や行動を事細かに追った本。 ただ、著者は「そちらには興味はもてない」とあえて省略は…

神武天皇以来途切れるた事の無かった血統?

近頃、女系天皇問題が言われています。 私はさほど興味は無かったし、保守的な方なので「まあ、守れるなら、伝統通りに行った方がいいのではないの」と思っていたのですが、いくつか女系天皇反対の主張を見て気になる事がありました。 「代々の伝統だから」と…

ガンジーの実像

読了 ガンジーの業績、思想、各方面からの評価などを列挙して解説した本。 ガンジーの非暴力運動の働きかけがしばしば暴力的な活動に火に油を注いでいた事や、前近代や農村の美化、食品や健康などに関する(さすがにほとんど賛同者がいなかった)明らかにあ…

ビザンツ帝国史

読了 上記と同じくビザンティンの盛衰を解説した本。クロスチェック的に読む。ビザンツ帝国史 (文庫クセジュ)作者: ポールルメルル,Paul Lemerle,西村六郎出版社/メーカー: 白水社発売日: 2003/12/01メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (9件)…

生き残った帝国ビザンティン

読了 古代ローマの東西分裂から滅亡まで歴史の解説。 しかしあらためて見ると古代ローマの東西分裂から滅亡まで一千年間もの長さ。日本でいえば、600年ごろの聖徳太子の時代から1600年ごろの江戸幕府の成立まで。当然、政治のシステムや、社会経済的状況もそれ…

古代ローマの日常生活

古代ローマの、辺鄙な地方都市国家から帝政時代のキリスト教化する前までの、衣食住とその変遷について 「古代ローマは退廃していてそれゆえに滅んだ」という安易な俗説を批判し、冷静に、衣食住や倫理通念などのの変遷を連続した変化として解説したり、それ…

デパートを発明した夫婦

19世紀に始めて現代的なデパートを作ったブシコーとその事業について。 それまでは必要だから買うというのを、店の方から購買意欲を喚起するように逆転させたなど、興味深い分析が色々。 同じ著者で、同時代のフランスの新聞王ジラルダンについて述べた著作も…

クレオパトラの謎

吉村作治氏の著作で、年始のテレビ番組の元ネタと思われるもの。 「カエサルはクレオパトラから強い影響を受けた」という見解で書かれている。 カエサルファンである塩野七生氏の著作と比べて、暗殺される直前のカエサルを、体調不良と職務の疲れでいささか耄…

我が名はネロ

安彦御大による古代ローマのネロ帝を題材にした物語。 ネロといえば、一般的にはキリスト教を弾圧したりした暴君。ある程度歴史を知っていると不相応な地位と責任を押し付けられた気の毒な青年。この物語は後者の見かたで、ネロともう一人ゲルマニア出身の青年…

ビートたけしのエジプトミステリーIV シリーズ完結編!破滅の女王クレオパトラ海底宮殿が物語る!地下に眠る幻の墓を追え

吉村作治氏とビートたけし氏によるクレオパトラの盛衰。 で、解説パート自体は、新味のないクレオパトラの伝記と、いかにも一般受け的なクレオパトラの財宝がどうこうとかでつまらなかったのですが、面白かったのは二人がそれにツッコミを入れまくっていたと…

新春ワイド時代劇「天下騒乱」 第一部

昨日の録画を見ているところ。 初期江戸幕府で土井利勝役が西田俊之なので、「葵 徳川三代」の方を思い出して徳川秀忠に見えてしまうと思っていたら、この作中では家康の隠し子という設定で死の前の家康から誠実にいて色々講釈されたりするので、余計に「葵」…

物語 ユダヤ人の歴史

物語 ユダヤ人の歴史作者: レイモンド・P.シェインドリン,Raymond P. Scheindlin,高木圭出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2003/12メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る

パールハーバー トップは情報洪水の中でいかに決断するべきか

歴史上の大事件は、しばしば後知恵で見ると、「どうしてこんな大きな見逃しをしたんだ?」という事があり、そこから「こんな簡単な事がわからないなんてありえない。何か、深い策略があったに違いない」という考えにいたる事がある。 しかし、実際その場にい…

アウグストゥスの世紀

読了。 アウグストゥスの政治的業績のみならず、同時代、腹心のマエケナスの保護などで栄えた詩等の、文化的隆盛も述べた一冊。 しかし、どうも翻訳がこなれていない感じで、読みにくい。アウグストゥスの世紀 (文庫クセジュ)作者: ピエールグリマル,Pierre …

物語廃藩置県

読了。 日本全国、武士は総失業という惨状だったわけですが、特に戊辰戦争の敗者に回った北国方面は、強制移住など、特に悲惨。たしかにこれでは、その後一世紀以上、戊辰戦争の事を引きずったわけ。物語廃藩置県作者: 高野澄出版社/メーカー: 新人物往来社…

田沼意次の時代

読了。 田沼意次の評価を改めさせると共に、タイトルのごとく、江戸時代の長期平和で社会全体の農商の経済力などが発展して来た時代であったことも述べた、一冊。田沼意次の時代作者: 大石慎三郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1991/12/18メディア: ハー…

学問の秋スペシャル日本の歴史

内容紹介には「4時間で教科書より100倍楽しく分かっちゃうぞ」とありますが、つまらないし、わかりにくい。もし本気でわかるように作ってアレなら、無能。 わかりやすい歴史紹介に必要なのはこの二つ。 その出来事の、背景事情と、そこに至るまでの経緯、結…

ローマ皇帝伝(下)スエトニウス著/国原吉之助著

読了。 訳者も後書きで書いていますが、ネロについては力が入っていますが、ネロ死後の分量が少ないなあ。 それぞれの皇帝のいろいろな出来事について「このような前兆があった」というのが、多数載っていますが、こうしたのは、後から、「このような人物や…

ローマ皇帝伝(上)スエトニウス著/国原吉之助著

読了 上巻では、神君カエサル、初代アウグストゥス、二代目ティベリウス。 『ローマ人の物語』では好意的に書かれる傾向のある人物たちの、元資料での率直な書かれ方が、面白い。 不品行や悪徳の部分も色々かかれていますが、思うことは、「しかし、同時代の…

第二次世界大戦に勝者なし A・C・ウェデマイヤー著/講談社学術文庫

読んだのは春。 米軍のウッデイマイヤー将軍(元アメリカ陸軍作戦企画参謀)の回顧録で、著者の立場での、当時の苦労や、「ああすべきだったのに、政治家たちの無理解で」的な批判などを、いろいろと。 でまあ、チャーチル首相については、指導力や英国的な老…

所さんとおすぎの偉大なるトホホ人物伝

まあ、この手の番組の内容を真面目に論評しても仕方がないわけですが、それでも。 トホホ人物伝というのなら、キケロ先生が、トホホの山なのですけど、ローマ史的にはメジャーでも、一般的にはメジャーじゃないからなあ。 しかし、この手の番組って、暴君と…

シャドウ オブ ローマ

連休シーズン中にプレイして終わらせました。 シーザー(カエサル)暗殺の裏に潜む陰謀を暴くため、後の初代皇帝オクタヴィアヌスと、その軍事面での右腕となるアグリッパが活躍するという話。 ゲーム的な見所は、アグリッパによる戦闘メインのパート。 戦闘…

読了 秦漢帝国

この時期の中国史に関しては、始皇帝から項羽と劉邦の争いまでの時期と、漢末期三国時代との間の知識が無い物で、補うために、読みました。 とりあえず戦国時代の封建制やそうした関係にもとづく主従関係が崩れて、全国統治システムや、官僚としての主従関係…

ジュリアス・シーザー

読了。 しかし、実際に演じられているのを見ないと、どうにもピンとこないです。 ビデオ屋を見ても、ハムレットやマクベス、オセロなどのビデオ収録や映画版はあるのですけど、『ジュリアス・シーザー』が見当たらない。 チャールトン・ヘストンがアントニー…

ローマ経済の考古学

読了。 最後に著者なりの見解のまとめはあるものの、古代ローマの経済の研究について、諸説を紹介し、考古学の研究への貢献を、網羅的に述べているのが、主な内容。 内容は充実していましたが、この本の紹介を元に、さらに、様々な本を読む必要があり。そう…

「教授」の発表? 真珠湾攻撃 最後通告に相違 日米保管の文書、25カ所

真珠湾攻撃 最後通告に相違 日米保管の文書、25カ所 http://www.sankei.co.jp/news/050207/sha037.htm これを指摘したのが、「昭和史を研究している徳島県小松島市の米国パシフィック・ウエスタン大学名誉教授、茶園義男さん(79)」というので、眉につ…