ガンジーの実像

 読了
 ガンジーの業績、思想、各方面からの評価などを列挙して解説した本。
 ガンジーの非暴力運動の働きかけがしばしば暴力的な活動に火に油を注いでいた事や、前近代や農村の美化、食品や健康などに関する(さすがにほとんど賛同者がいなかった)明らかにあやまった自然信仰的な考えを見ていると.....まずありえはしなかったでしょうけど、万が一ガンジーが思想の伝道者や運動の指導者に留まらず、実際に国を動かす権力を手に入れていたら、ポル・ポト政権並みの独善的で酷い政治になっていたでしょうなあ。
 そういう点ではガンジーの死後、理念の大筋は称えられても、偉人として祭り上げられるだけで現実の政治ではさほど省みられなかったのは、ガンジー自身にとって幸せだったのでしょう。

ガンジーの実像 (文庫クセジュ)

ガンジーの実像 (文庫クセジュ)