ビートたけしのエジプトミステリーIV シリーズ完結編!破滅の女王クレオパトラ海底宮殿が物語る!地下に眠る幻の墓を追え

 吉村作治氏とビートたけし氏によるクレオパトラの盛衰。
 で、解説パート自体は、新味のないクレオパトラの伝記と、いかにも一般受け的なクレオパトラの財宝がどうこうとかでつまらなかったのですが、面白かったのは二人がそれにツッコミを入れまくっていたところ。

  • 絨毯にくるまってカエサルにあったという件、実際はもっと地味に兵隊とかに変装していたんじゃないの
  • 国が買えるほどの価値の真珠を酢に入れて溶かして飲んだというエピソード、安物の真珠で試してみたがわずかしか溶けなかったし、そんなに溶ける酢を飲んだらクレオパトラが死んでしまう。クレオパトラへの印象から、そういうエピソードが後から創作された。
  • クレオパトラの財宝なんてオクタヴィアヌスが全部持って行った

 等など
 たけしのクレパトラ評の「本質的にはいろいろな人の度肝を抜く芸人。しかし芸人では天下は取れない」というのはごもっとも。
 ところで、二人とも「ブルータスお前もか」を史書に残っている話として話していましたが、史書にあるのは「息子よおまえもか」。「ブルータスお前もか」はずっと後年のシェイクスピア劇の創作。
 ついでに出ていた板垣退助の「板垣死すとも自由は死なず」は、暴漢に襲われて負傷した事件(命に問題は無し)のが誇張されて伝わったエピソードで、遺言とは全然違う。