機動戦士Ζガンダム 第12話 ジャブローの風
画像の方は、mk2の準備が出来ておらず、まだ。
戦闘中のカミーユの独り言
「こんな戦い方は卑怯だ」
「抵抗すると無駄死にをするだけだとなぜわからないんだ!」
他にも、戦闘に巻きこまれた猿の親子や、宇宙と違ってその場で無残な姿を晒しつづけて、そのパイロットの運命も暗示させるMSの残骸に対する、カミーユの反応。
身も蓋もない話、兵士として戦争に参加している以上、手前勝手な言い分ではありますが、同時に、人間性が麻痺していない事を示す言動。
とはいえ、シャアが言うように、「ウォンさんの修正が効いて」それを押し殺しもしている。
そのカミーユと対比させるようにシャアは、倒れたハイザック相手にも油断をせず、最後の力でビームライフルをうとうとしているのに、即座に反撃している、戦争に対してクールに徹している。
こうした点について、月での白兵戦でもカミーユが「本当は戦争が好きなだけじゃないのか」と言っていて、シャアの立場を考えない子供じみた言いがかりでもあり、同時に、人間性の麻痺に対する危惧の表明でもある。
戦闘内容
戦闘内容は、充実。
mk2はフライングアーマーのホバー昨日をサーフボードに見立てて、河や沼地の上を、追って来るジェリドたちや、同じくホバーで水上移動をするグフ飛行試験型と交戦。
さらにジャブロー内部での市街戦。
敵味方の一般MS同士の戦闘。
弾切れや、足場のトラブル、有利なポジションの取り合い、ビームの正面衝突などの攻防を見せる、mk2とマラサイの一騎打ち(<−種や種デスのレギュラーキャラ同士の対決だと、ただひたすら動き回って、当たらない攻撃の撃ち合いを、延々続けるだけなので、つまらなくなる)。
核自爆から逃れるため、一分一秒を争う状況での、mk2と百式の脱出(カイを飛び乗らせてすぐ、敵の弾がそこに飛んでくるなど、小技も効いている)。
MSV大挙登場。
前回、前々回と同じくバンダイからの要請で、今回は「引越し後で旧式機しか残っていない」という理由付けで、MSVが多数登場。しかし、それなら、ノーマルのジムやザクが残っていそうなもので、不自然。
その中で活躍したのが、グフ飛行試験型。これは、一年戦争中、MSを単独飛行させようとして強力な飛行エンジンを内蔵させて試験したものの、上手く行かず、実験機の一つは爆発事故まで起こしたという、駄作っ機。この飛行エンジンをホバー用に使って、河や沼地の上をホバー移動させるというのは、上手い見せ方。
セイバーフィッシュ戦闘機もなにげに大挙登場して、降下部隊に対する迎撃機として活躍。
一方、ジムキャノン、ジムスナイパーカスタム、ガンキャノン重装型は、出てきただけという状態。
荷物の積み込みシーンに映っていたザクタンクは、廃品利用の作業用ですから、まあ、あんなものでしょう。
ジェリド脱出
助け合いはあたりまえと言いながら、他の連邦兵と協力しながら脱出機の側まで来つつ、そこから先は「あとは自分の力だ」と見捨てるジェリド。現実的でありつつ、それゆえに、シリーズ中盤以降、新キャラたちの人間的スケールに負けてしまう、彼の中途半端さをよく現している。
しかしそんな彼が、「力なきものには死」と、実力志向と出世志向を剥き出しにするからこそ、ドラマになる。
とにかくそうして、今回は文字通りの幸運の女神に助けられて、彼のサクセス志向脇役ストーリーは続いていく。
レコア
「あんな辱めを受けて」と、わかりにくい表現をされている、レコアがあった事。これ、シリーズ中盤以降の伏線になっているわけですが、わかりにくい。富野監督はなぜそこまでして、あえてこういう話を、少年向けロボットアニメに入れたのか、いささか不可解。
核爆弾
余談ながら、今回の自爆用の核爆弾、「地下150mに埋まっている」と言われていますが、そこまで深いと、地下核実験を見てもわかるように、爆発の効果は無い。
まあ、「地表から数えて150m」なら、ジャブローの巨大地下空洞の少し下ぐらいになるわけですから、問題ないでしょう。こうなると、今回の大爆発は、完全密閉した容器(巨大地下空洞)を熱して(核爆発)、内部の水分や空気(空洞内の大気など)を膨張させて、容器そのものを吹き飛ばしたという爆発の仕方になるでしょう。ハイザックの足元からせり上がるように爆発したのは、正しい、と。
ティターンズがこういう乱暴なやり方をしたのは、ウォンが目的のひとつとしていっていたようにエゥーゴが占拠して、拠点にされるのを防ぐためでしょう。敵に拠点や物資を利用されないようにするのは、戦争の基本。
とはいえ、戦争としてもなお、堂々の戦時法破りなど、外道なやり方には違いない。