機動戦士Ζガンダム 第13話 シャトル発進

ハヤト登場

 外見、内面ともに、実年齢以上に親父臭くなった、ハヤト・コバヤシが、エゥーゴを先導するために登場。
 それも、冷戦時代に試作された実機、B-70バルキリー超音速爆撃機という、やたらマニアックな航空機にのって。なぜ?対抗作の一つである『超時空要塞マクロス』のバルキリーに引っ掛けた?

アムロ登場

 一方、アムロも登場。
 ハヤトの妻や養子になっていた、フラウやカツ、レツ、キッカを出迎え、最初は和みながら話しているかと思いきや、連邦軍に危険視されて幽閉状態という状況が語られたり、アムロ自身もふ抜けきっていて、それに憤慨したカツと口論になるなど、話が展開。

 ここで、色々な意味で伝説化した台詞。

カツ:「地下にモビルスーツが隠してあるとぐらい言ってください!」
大阪さん:「なんでやねん」

 言いたい事はよくわかるものの、『ガンダム』で『マジンガーZ』のごとき事を言っていて、本放送当時から、ギャグ扱いの台詞。
 しかし、先日の種デスでは、この台詞の内容を本気でやった上に、宇宙戦艦まで隠してあるという、「なんでやねん」を連発したくなる上に、パロディ化したと指摘されても否定しようの無い事をしていました。しかし、パロディ化するなら、「重要人物は監視されていて当然」という、ごくあたりまえの事も、見習ってほしかったです。はい。

今の私は、クワトロ・バジーナーだ。それ以上でも、それ以下でもない

 カイがハヤトと直接顔を合わさないまま去るのは、相変わらずの買いらしさの表現と同時に、旧作キャラ同士を、新キャラそっちのけでベタベタさせ無いための節度でもあるのでしょう。ちなみに、この一連の件で、ハヤトが通り過ぎた博物館の展示品のガンキャノンのナンバーは、映画版のカイ機。

 そうして、視聴者的にも来るべき物が来たというべき、ハヤトと、途中参加のカミーユによる、シャアへの正体追求。
 それに対するシャアの回答は「今の私は、クワトロ・バジーナーだ。それ以上でも、それ以下でもない」という、はぐらかし。肯定も否定もはっきりできないあたり、カイなどが「卑怯」「自分を貶めている」と言いたくもなる。

 それに対する、カミーユの、『Ζ』でベスト3に入るであろう、有名台詞とシーン。
「歯ァ食いしばれ!そんな大人、修正してやる!」

 前回、シャアが「ウォンさんの修正が効いている」といっていましたが、やはり、カミーユはそれで、大人や世の中の不条理いに、ただ大人しくなるような少年ではなかった、と。むしろ、「修正」を自分の物として学習してしまっている。しかもシャア、思いっきり吹っ飛んでいる。
 まあ、個人的な不平不満の発露ではなく、不甲斐ない大人への怒りとして鉄拳を振るえるようになっただけ、精神的に成長はしている、と。

 それに対するシャアの答えは「人には自分自身を恥ずかしいと思う心が....」。これは、初期話でカミーユが、「クワトロ=シャア」と察していない時点で言い、シャア自身が肯定した「たった一人で組織に挑もうとして失敗した馬鹿な人」という人物評に対応しているのでしょう。何でも出来ると自惚れていた若い頃を恥ずかしがっている、と。怪しげなコスプレをして赤い彗星なんて息巻いていたことを今更恥ずかしがっているというわけではないのでしょう、多分。

アッシマー

 本放送当時から「円盤獣」と言われていた、空飛ぶ円盤型に変形する、ブラン・ブルタークの可変MAアッシマーが、シャトル打ち上げ直前に、ハイザック部隊とともに飛来。
 以前登場したメッサーラ同様、飛行能力に優れたMAモードと、白兵戦に優れたMSモードを自在に使い分け、エゥーゴを翻弄し、ついにはレギュラーキャラのロベルトまで戦死させる強さを発揮。その空中戦法に対し、重力下での飛行能力の無い百式に乗るシャアが「宇宙で無いのが!」と忌々しげに言い、ブランが見下しながら「醜いな」というのが、アッシマーの優位を表現している。
 そして、二機あるシャトルの内一機が破壊され、危機感を盛り上げつつ、アポリーやレコアの乗るシャトルが出発して、ようやく助かったかと思ったら、アッシマーがその圧倒的な飛行能力で垂直上昇してシャトルを追撃し始めてしまう。それに対し、リアルさでは疑問符がつくものの、絵的には盛り上げる、単体では飛べない事がこれまでに表現されてきた百式とmk2の肩車による二機同時推進噴射による、アッシマーの追撃阻止という流れの良さ。
 そして、変形中のアッシマーの胸部に攻撃を命中させ、ようやく撤退に追い込む。しかし、これでも撃破に至らないあたり、アッシマーの強敵度は高いです。

地球の現状

 ハヤトの説明する、次の打ち上げ場所の事を聞いて、カミーユが述懐するシーンもそうですが、前半のハヤトによるカラバへのシンパの存在の説明や、フラウ親子がアムロのところにこれた事情の説明などで、地球連邦政府の統制が弱まってしまっている現状も、今回は描いていました。