機動戦士Ζガンダム 第7話 サイド1の脱出
ライラのアーマガ評
冒頭、ライラが、ジェリドを庇っているとも、敵の戦力分析をしているとも、どちらともとれ、本人自身が言うにはジャマイカンを嫌っているという事を示すための、アーガマ評を述べる。このあたりの、一つのシーンで複数のニュアンスを持たせるのは、富野作品の真骨頂。
しかし、このシーンのライラのアーガマ評、私がZガンダムを全面的に評価できないない一因である、過剰に回りくどく長い台詞回しにも該当するのです。
アーガマをホワイトベースになぞらえるのは、どちらも、雑多なスタッフの集団だからでしょう。で、カミーユ機と思われるガンダムmk2の評価が、そのまま、後半でのカミーユとの対決につながる、と。
パイロットに勧誘されるカミーユ
打算と理想をすんなりと併せもっているブレックスたちと、それに少年らしいナイーブな反応を示すカミーユのやりとりが面白いです。
その直後、カミーユからパイロットのことについて相談を受けるシャアは、「これしか食う方法を知らない。だから嫁ももらえない」とかいって、話をはぐらかすだけ。正体を隠しているがゆえに、ジェリドに対するライラのように、先輩としてストレートに振舞う事ができないというはがゆさ。
しかし、この話に限らず、カミーユがニュータイプといわれるシーンを見ると、ついつい、本放送時に民田直氏がOUTで書いていた、カミーユが「ニュータイプ、ニュータイプと言わないでください。この本はOUTなんですから」と言う、四コマパロディ漫画を思い出します。
細かいところでは、1年戦争のために、中老年齢者が極端に減っていて、それゆえに、この時代には、歳若い軍人が多くいる事の理由付けも語っています。
30バンチコロニー
ミイラということで、放送コードはOKだつたのでしょうが、中々に凄惨な光景が描写されています。
そうした光景を、下手に悪を糾弾するのでは無く、冷静に批評するシャアの姿が、かえって虐殺のむごたらしさと、ティターンズの悪を印象付けています。ここに限らず、シャアはティターンズの悪やエウーゴに理念などに対しても、他のメンバーと比べて引いた視点で見ているのが印象的。カミーユに対する態度といい、この頃のシャアは、良くも悪くも、老成した感じになっている。
カミーユ対ライラ
主役ロボである白いmk2に初めて乗るカミーユ。敵は、ベテランのライラ。作中のブレックスらから見ても、視聴者から見ても、カミーユが優秀なパイロット/ロボットアニメの主人公に相応しいかどうかがテストされるわけです。
『Zガンダム』のMSの特徴である各部のロケットモーターを使った、アクションが展開。
ジェリドに冷静になれといっていて、冒頭でも冷静にカミーユのmk2の戦力分析をしていたライラが、30バンチコロニー内での経緯と、カミーユの操縦センスに対して、最大の武器であるはずの冷静さを失っている。
結局、カミーユ自身の、回転するコロニーのミラーなどを利用して身を隠したりする機転と、ライラ側のあせりの相乗効果で、ライラの戦死という結果に。
そして、カミーユは、親の敵のジェリド(といっても、カミーユ自身は個人相手に仇とは思っていないのですが)に、逆に先輩のか滝と狙われることになる、皮肉な展開に。
ただ、ライラの死に際の台詞は、やはり長くてくどいかと。
余談
先頭の画像は、1/144ガルバルディβのプラモを撮影、加工したもの。
模型ページの方にも近日掲載予定。