空想科学読本3 超巨大デス・スターでは要塞内遭難にご注意を! の 珍理論

 今更の柳田理科雄ですが、いまだ真に受けておられる方々のために、一筆。
 本題は『空想科学読本4』のガンダム話ですが、その前ふり的に、他のところから。
 これで著者は、直系120kmのデススターを、「これだけの建造物なら、エレベーターによる移動も大変」「そんなに広いなら内部で遭難する」と、長々と論じていますが......大都市に見立てて、長距離、大人数対応の列車や、飛行機で移動したり、大都市に見立てて区画管理をするとかいった、デススターよりずっと小さいガンダムスペースコロニー内ですらやっている、常識的な方法は、著者には思いつかないらしいです。
 デススターの周辺の警備等に関しても、「120万人しかいないのだから、カバーしきれない」「表面の警備兵の視線は12km先の地平線までしか届かない」と挙げつらっていますが......監視カメラを多数もうけて内部の警備司令室でまとめて見るとか、デススターの上空にパトロール宇宙艇を巡回させるとかいった、これまた、常識的な方法は、著者には思いつかないらしいです。

 柳田理科雄の、主要なおかしな部分の一つ、「前向きに解決する方法よりも、わざわざ不可能にしてしまう方法のみを選ぶ」の典型。
 なお、柳田理科雄の主要なおかしな部分を列挙すると以下のとおり。

  • 明らかに受け狙い目的で書いているのに、公言している目的は「科学啓蒙」と、二枚舌
  • 前向きに解決する方法よりも、わざわざ不可能にしてしまう方法のみを選ぶ
  • 題材となる作品や事例について無知・不勉強
  • 基礎知識や比較検証に使える、現実に存在する事例などについても無知・不勉強で、机上の空論を連発