機動戦士ガンダムフリーダム(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)第23話

 カガリによるオーブ軍への戦闘参加中止の呼びかけ。自国の理念や平和への思いが、踏みにじられる空しさを描きたいのでしょうけど、カガリが言うと、幼稚な戯言にしか見えないのがなんとも。一民間人や兵士がやるなだまだしも、前作から、政治的に責任があり一定以上の権限も権威もあるのに、未だ指導力とか実行力というのをちっとも感じさせないキャラが言っても、「それ以前にやるべき事が山ほどあるだろう」というツッコミしかでてこない。
 キラとアークエンジェル一同も、結局のところ、その場の勢いで暴れまわっているだけ。むしゃくしゃするから、ただ衝動に任せて暴れまわりたいというように描きたいなら、まあアレででもいいでしょうけど、キラとアークエンジェル一同の製作者的な扱いはそうではないはずでは......
 悪役的な扱いのはずのユウナが、理屈としては全く正しいことを言ってるのに対して、「正義」側があまりにも感情的、無理念、無責任、無能で、戦闘力だけはトンデモない暴れものなので、ますます、駄目に見えてしまう始末。
 ハイネの死に方は、完全にギャグ。ランバ・ラルの戦闘の台詞や、背景の変色といった「強敵」を示す演出をそのままコピーしておいて、そのすぐ後に、物凄くくだらない死に方。しかも、物凄くわざとらしく、空に浮かぶハイネの姿というのが、駄目押し。
 ああ、それと、この前の総集編でシンの家族の死亡シーンからフリーダムが消されていたことや、今回、シンがフリーダムの事を全く知らないという描写から、キラの流れ弾によるシンの家族の殺害疑惑は、疑惑自体がなかったことにされてしまった。監督、脚本夫妻は、とことんキラを甘やかしたいようで。