うたわれるもの 第8話「調停者」

皇帝にはなりたくないものよ
ブリタニア人の間をほっつきさ迷い
スキュティアの酷寒に肌を刺され

古代ローマの詩人フロルスが、おつきをしていた五賢帝の一人ハドリアヌスについて述べたざれ歌

 国を取って村の衆はどうするか通っていたら、ハクオロやオボロにまかせて村にかえる。まあ隊長や役人が務まりそうにも見えませんし。
 国の運営は先代の部下を引継ぎの模様。まあ考えてみれば、先代はいかにも無能でしたから有能なトップならすんなり受け入れるでしょう。しかし前回までの戦いの過程で(原作では描写されているかもしれませんが)家臣たちの先代への不満をもっと描いていればと思います。
 その家臣たちの前にハクオロ王が出て来るシーン。つい『吼えろペン』の仮面編集者にその場にいた一同が内心「なぜ仮面なんだ?」と思いつつも口にするのを自重するというシーンを思い出してしまう。
 そうして行政スタッフは引き継いでいても、通常の決裁だけでも忙しいハクオロ。

 でもって翼付きの方々登場。「オンカミヤムカイ」と難しげな用語がでてくるも、「調停者」など雰囲気が出つつわかりやすい言い方が出てくるのはいいです。逆に特に悪い例はやたらと意味を連想しにくい造語を使いたがる『シムーン』。
 でもって使節として来たのは、なんだか「あれあら(アリシア)」と言いそうなウルトリイ(大原さやか)。
 エルルゥは、ハクオロに最初に「家族」次に「妹」と紹介されて落胆気味ですが、たしかに妹とも娘とも伴侶とも言える微妙な立場ですから。
 カミュアルルゥは精神年齢は近そうですが、この二人、アルルゥの発育が幼すぎるのか、カミュの発育が進みすぎている(特に胸)のか。
 この二人あれこれありながら、ハクオロのアドバイスで、虎と一緒に、お互い蜂蜜を蜂の巣や蜂の子ごと食べるという(視聴者視点で)昔ながらのやりかたで仲良くなる。書類が木簡なのもそうですが、物語世界を構成する要素に配慮や一貫性が明確なのは、見ていて気持ちがいいです。