機動戦士フリーダムガンダム(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)PHASE-33「示される世界」

 シンが、ステラを殺した相手としてフリーダムとキラを逆恨みするのは、10歩譲っていいとして、約束をあっさり破ったて、ああいう状況を引き起こしたネオの事は全く気にしていないのはなぜ?
 レイが、ハイネの死因をフリーダムとキラの乱入と言いながら、明確な殺意込みで直接殺したステラのことは考慮しないのは?
 以前からつっこんでいる事ですけど、シンがステラに、命令とは言え大量殺戮した事について全く考慮せず、ステラの死ばかり悼んでいるのは?恋は盲目という事でしょうけど、そこに至るまでのプロセスが、ちっとも描かれていないのですけど。
 「ステラの死で、シンがキラを逆恨みする」という結論だけが先にあって、そこまでの話のもって行き方が、あまりに下手糞。

 デュランダル議長の声明は、やって当然の宣伝戦を仕掛け、それ以前からそれを念頭に置いた戦い方をしてきた議長が利口というより、ジブリール他ロゴス・ブルーコスモス側が阿呆すぎるんですけど。まあ、今に始まった事では無いですが。

 視聴者的みれば怪しいことこの上ない議長が、際立って賢明で平和に貢献する行動をとっていて、主人公側などが上手く行動できず悩むという話は、上手く描けば大変面白くなったのでしょうけど、この番組のスタッフには、そんな複雑な作劇をこなす能力が全然ないわけで。

 まあ、ひょっとしたら「やはり議長は、必要とあらば陰謀も行うが、目的はあくまで世界平和」かもしれませんが。そうすると、露骨に贔屓されているキラ・ラクス一党の立場をどうするか。「陰謀もしていたから、どんな崇高な目的がありそれを実現していようと、議長は悪者。だからキラ・ラクス一党が妥当する」という展開になるなら、説得力がないにもほどがある。
 かといって、「議長はやはり悪の権力者」とするなら、やはりよほど説得力のある逆転ストーリーを用意しないと。「議長は世界征服をしようとしている」という程度なら「それで平和になるなら、それでいいでしょう」としかならないわけで。
 とにかく、現状では、議長だけが際立って利口で、悪役も、キラ、ラクス、カガリらなども、馬鹿すぎるので、よほど上手い理由をつけない限り、議長を悪役にしたり、キラ、ラクス、カガリらに正当性があるように見せようとしても、説得力がなくなる。