トム・クランシーの原潜解剖

 読了。
 原子力潜水艦について、詳細を知りたく、読みました。
 原子力潜水艦の構造や、乗組員の役割や、訓練、生活のみならず、その戦略、戦術的運用が、「世界秩序の維持」にどのように役に立つかについても解説。
 日本では、堂々と詳細には書きづらい、世界平和の維持には、力のある国が適切に軍事力を使う(抑止などの段階も含めるという意味で)必要があるという、不愉快な厳しい現実。それを、理念をウダウダ述べるのでは無く、そこにある現実的な仕事として堂々と説明していているのが、良いです。まあ、旧ソ連とかイラクとかは、ものの見事に、ボロクソに書いていますな(書かれたのは湾岸戦争直後頃)。
 あと、世界的な軍事の「リストラ」と、その中での、各国の潜水艦の維持(新造も含む)や途上国への売り込みを、普通の民間企業のリストラ対応策のごとく説明しているのも、日本ではなかなか書けないでしょうなあ。

トム・クランシーの原潜解剖 (新潮文庫)

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