Fate/stay night 第18話「決戦」

 ほぼアニメ独自のストーリー内容ですが、ドラマ的要点(葛木とキャスターの関係のほのめかし、小次郎に問われるセイバーの願い、葛木に自分と比較して追求される士郎の自分の願いが無いこと、凛と桜の関係)などを、いつもの原作トレース*1よりよほど的確に表現できている。
 戦闘も及第点。今回はほぼアニメ独自のセイバー・小次郎戦は、原作トレースで結果的に「解説し合っている間に戦ったら?」と言いたくなるような代物になっていた一戦目よりずっといい。
 しかし他所でも既に指摘されていますが、シリーズ構成全体でみると、葛木の登場とか(それまでのキャスターのわずかな出番だけでは弱い)、桜と凛の関係(わずかなほのめかしのみのみで、伏線、布石としては弱すぎ)とかが唐突に出てきたように見えるのがなんとも。これも第一ルートトレースに、第二、第三ルートをつまみ食い式に継ぎ足すという作りの弊害。
 桜と凛の関係を描くのは原作では第三ルートにて専念していて、第一、第二ルートでは桜は脇役一般人に過ぎず伏線は第三ルートを読んだら気づくわずかな程度ですから。
 余談。
 士郎の投影能力は、武器の性能だけでなく使い手の技量もある程度コピーするというのをわかりやすく明示しないとまずいのでは。葛木がセイバーに勝てたのは、不意打ち用の暗殺拳で、なおかつ手の内の知られていない一戦目だったからという原作での説明描写も無いせいで、「セイバーが負けた葛木に士郎が何故互角近くに戦える?」という疑問を他所でちらほら見かけます。
 あと細かい事ですしアニメ版で言及しなさそうですが、原作では割と重要だった凛と桜の幼少時代のリボンの色、アニメでは間違えているのでは? 

*1:何度も言っていることですが、地の文による細やかな描写がされている原作を、その辺がほぼ欠如した状態で表面だけトレースしたから、ただ単にだらだらしているだけになる