Fate/stay night(原作)

 前から評判のよさからしてみたかった事と、アニメ版のあまりの凡作ぶりと比較したかった事から、原作の方を買って始めました。
 今のところはプロローグ編。
 ......原作の方がはるかにいい。
 アニメ版の方は、導入部で三話も費やして退屈、いかにも説明っぽいシーンが多いなどといった指摘が既に多数。
 それに対し原作。

  • まず初めにいきなり、原作の宣伝でもよく出されていたセイバーの美しく印象的な登場シーンを出し、そこから数日前に戻るというようにしている。アニメ版の、なんだかよくわからないがありがちな戦いと爆発をしていただけの第一話冒頭より、はるかにセンスがいい。
  • 初めは士郎では無く凛の視点から始まる。そうして聖杯戦争のための魔術や必要知識、サーバント召還等の準備と作業を順番にしていくる凛の言動を通して、凛の個性や話の面白みを持たせながら、聖杯戦争関連の説明を効果的にしていく。
  • 聖杯戦争の説明を、使い慣れない電化製品の使用方法の説明とするなら、アニメの方はその機械の事をほとんど知らない素人(士郎)が、いきなり長ったらしい説明を聞かさて、機械を使う以前にその説明に振り回されているようなもの。それに対し、原作の方はある程度知っている者(凛)が、使い慣れない新しい機械の操作手順を、順番に動かしながら着実に確認していくような物。後者の方が優れている。
  • 凛のサーバント召還儀式シーンでの魔術という物の具体的な描写と派手な見せ場。アニメの方では士郎が初歩的な魔術の応用で機械修理をしていただけ......
  • 凛のミスで不完全な召還をされた事*1による、アーチャーと凛とのドタバタと和解の面白さ。アーチャーの個性も面白く見せている。それを通してサーバントとはどういう物かも適切に説明。橋のネジの数を数えられる事を自慢していただけのアニメ版第一話のアーチャーとは雲泥の差。
  • 原作のプロローグでは凛やアーチャーのキャラや言動のウィットも面白いのに、アニメ版の導入編では聖杯戦争の部外者のタイガー(藤村大河)ばかりが際立ってキャラが面白い始末。最初から士郎視点だかといって、キャラを立たせる優先順位を取り違えているのでは。

 アニメ版の第一話も、無理に最初から士郎主役にこだわらず、無難に原作をトレースするだけでも大分マシになったはず。

*1:召還時間を一時間間違えた事により、儀式の部屋でなく、居間を破壊してアーチャー出現。あまりに酷い召還のされ方をされて不機嫌なアーチャー