男たちの大和

 あまり期待していませんでしたが、評判がわりかし良いので、『キング・コング』観賞の前座のつもりで行ったら、思いのほかよかった。
 まず、戦艦が膨大な人数のマンパワーで動かされていて、機銃一つの兵士にも厳しい訓練があり人間関係があり日常生活があるというのが、表現できていてよかったです。
 こういうことは『宇宙戦艦ヤマト』では極力表現しようとしていた事なのですが、『機動戦士ガンダム』以降は希薄になりがちな事でしたから。アメリカ作品だと私のところで放送している『ヴォイジャー』だと300人程度でヴォイジャーを動かすにはギリギリとか時々言及されるのですが、日本のアニメとかだとそのあたりがおろそか。
 大和の乗組員の生活や喜怒哀楽が描かれていればこそ、あえて仲間とともに死地に向かう覚悟や、残酷な戦闘シーンにも必要性や説得力が感じられる。

 ただ『映画瓦版』の方で指摘されていましたが、大和以外の海軍の船などもある程度以上描いておいたほうが、そうした船も無くなった沖縄への単身出撃の悲壮感がより際立って良くなったと思います。
評価:70点
 引っ張り出してきた、連断の大和とタミヤのウォーターラインの大和。