機動戦士フリーダムガンダム(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)PHASE40黄金の意志

「人は石垣、人は城」
甲陽軍鑑』より

 政治家に必要な遺産とは、一騎当千のスーパーウェポンではなく、人材・人脈。その人材をウズミは前作で道連れに自爆。
 どんなに格好いい「遺志として託されたスーパーロボット」なシチュエーションを見せられても、根本の話が腐りきっていては、どうにもなりません。

 あと、今回カガリは、自分に対する支持率の高い軍部を動かして、ユウナを拘束させて、自分の権力を強化する逆クーデターをしていましたが......
 そういう手荒な真似をしてまで、オーブを自分の方針で動かしたいなら、ユウナが連合との同盟路線を進めていた当時に、同じ事をなぜしなかったのやら。
 そもそも、オーブから出ていた理由も、「結婚するのが嫌だから」以上の理由がありませんし。でもって、オーブの現状がこうなった原因も、カガリがいなくなって、ユウナの歯止めが利かなくなったからで、やはりカガリが元凶なのでは......

 いや、まあ、作劇意図としては、「色々とあって、ようやく、国家元首としての意志力が身に付いた」という事はわかりますよ。

 しかしまあ、普通は「ユウナとかが、カガリの権限を弱めたり、国民や兵士の支持率を下げたりするための、策謀をしたから」という外的な要因も用意して、本人だけが原因ではないとするものですが、カガリの場合は「バカで意志が弱いから、ユウナに好き勝手された」というだけの代物。
 いくら、後半で人間的に成長させるつもりがあるとはいっても、善玉の国家元首を、こんなに無能にしたのは、本当にどうしょうも無い。


 どうしょうも無いといえば、今回も相変わらず、デュランダル議長の腹黒策士ぶりを見せるのに、「デュランダルがうまくオーブとユウナをはめた」というのではなく「ユウナが勝手に自爆してくれた」というようにしか描けないストーリー。

 それと、他の方の感想を見て、本編を見返して気が付いた事。
 ユウナを拘束させて、政治の指導権を取り戻し、ジブリールを探せとか言っていたので、ザフトに事情を説明して停戦を持ちかけようとしていたのかと思ったんですが......
 わぁ、ユウナ拘束後も、ザフト側には何の通信も送らないまま、戦闘継続してるよ、カガリ
 やはり、カガリは死んでも治らない。