ゾイド ジェネシス

  • 第13話「支配」
  • 第14話「脱出」
  • 第15話「離散」

種デスを見た翌日に、この番組を見ると、種デスの駄目さが引き立て役になって、余計に出来がよく、面白く見えます。
 主人公自身の体験として、ディガルドの圧政を見せるのに専念した12話と13話は、話の展開を一話分停滞させてはいますが、基礎的な事を丁寧にこなして、次の話につなげるという事をしていて、好感をもてます。
 『機動戦士Vガンダム』だと、ドラマ、ストーリー展開を進めながら、同時に敵の圧政等の背景世界の情報を自然な形で出していますが、それは、作劇能力などに自信が無いと難しい事。無理をせずに、安全な次善の方法をとるのも、よいことです。

 第14話と第15話では、1クール目の仲間がすんなり集まるなどの順調な展開から、きっと大きな窓外に当たる展開になるだろうと予想していた通り、主人公が壁にあたり、主人公チームも一時分断されるという展開ですが、予想以上に容赦ない。
 本来の目的である職人探しは、ようやくたどり着いたかと思ったら、そこで行き止まり。レジスタンスの鎮圧など、ディガルドの圧政はさらに苛烈さを見せる。
 15話では、主人公は厳しい現実への苛立ちから、無鉄砲な行動をとるが、さらに厳しい現実を突きつけられる。主人公一行を攻撃するゲオルグたちも、主人公たちの戦力を正当に評価し、ちゃとした戦術判断の上であえてムリな戦力集中をして(種デスなら四次元ポケットから戦力が出てくるのに、そんなことも全然無い)、的確に数の優位を生かして攻撃をするなど、戦術的描写もちゃんとしている。
 ラスト数分の、険しい道を一人、ムラサメライガーで進むルージの姿は、孤独感と、それを乗り越えて、一皮剥けようとしている姿の描写でしょうか。