機動戦士セイバーガンダム(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)

 面白くて、なおかつ、一番まともな出来でした。

 シンが、ドンパチやる以外の、主人公らしい行動を初めてして、初めて自己主張を積極的にしている。それが手前勝手なエゴにすぎなくても、ドラマになるなら、OK。なしろエゴを出し合って衝突させないとドラマにならないわけで。
 ネオとステラの関係も描写されている。
 なおかつ、先と後が、ちゃんと「展開」となってつながっています。出撃時には何気なくアスランの指揮を了解していたシンが、その指揮を無視する行動をして、帰還後にアスランと諍いを起こすとか。留守番のステラが留守番で終わらず(種や種デスではこういう事が多い)、助けに入る状況をちゃんと出したり。

 いや、こういうの出来てあたりまえの事のですけど。

 この調子で改善される事を期待します。

 改善点といえば、この前のオーブ出向直後の戦闘でもやらかしていた、「肉眼で楽々確認できる距離までお互い接近していて、それから発進しても、なぜか攻撃されない」という間抜けな描写も、今回はありませんでした。

 まあ、致命的でないにしろ、問題点もありますが。

  • たしか30機出てきたと思いますが、ランチェスターの法則って何っていいたくなるほど、蚊トンボのごとく落とされて、存在意義ゼロな一般兵は、諦めるしかないんでしょうね。フラガ仮面と強化人間トリオがいれば、一般兵はいらないのでは。しかし、蚊トンボ扱いのキャラが、死に際に恋人の名前とか言っても、白々しいだけです。
  • ウィンダムとかは飛行バックパック全機装備なのに、どうして最新鋭機のザクには飛行バックパックが無いのでしょうか。カオスに至っては揚力を派生させる翼もなしに長距離を飛んでいるのに。
  • 水中戦に「バズーカ」を携行する赤白ザク。前作でも視聴者が指摘していたはずですが、水中では水圧の関係上、無反動形式のロケット砲はつかえないのですけど。『アストレイ』の方ではちゃんと「魚雷」を使っていたのに、本編の方ではいまだ直っていない。まあ、物凄く好意的に考えれば、「バズーカ」は愛称で、弾も魚雷になっていたとも考えられますが。