機動戦士セイバーガンダム(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)第11話『選びし道』 第12話『血に染まる海』

 やっとシンとミネルバ中心の話に戻りましたが、今まで、ドラマ的展開や彫りこみのなかった彼らで「今まで最大の危機」とかやられても、どうもなあ。

 で、12話の戦闘がねえ......、たしかに、いまさらながらの年末商戦向けアピールに、インパルスが強敵相手に大活躍でそれなりに派手なのですけど、あいかわらず、上っ面だけは派手なものの、下手糞極まりない脚本&絵作り。

 出だしの、ザク二機が防空のために格納庫の屋根の上に乗るだけで、異様に力んだジャンプアクション。ここに限らず、種&種デスのロボアクションの全般的な問題の一つは、その場に即した動きというのをまるで考えず、とにかく、派手なアクションやポーズ付けだけしていればいいとしか思っていない点。
 タンホイザー陽電子砲が波動砲のごとく強いなら、どうして、距離が開いている間に一発か二発ぐらい撃っておかないのかしらん。敵側の数が物凄い事はわかりきっているのですから、放射線発生の問題に、なりふり構っていられないはずですけど。
 それでしか作劇ができないのかと、いかげんたいがいにしてほしい種割れ。しかも、ドラマ的下積みまるで無し。ワンパターンの回想を繰り返していればドラマになる、なんてわけはないでしょう。キラの場合はまだフレイの父親の死に関する問題などドラマ的があった末の種割れでしたが、シンにはそれが全然ないですし。
 バーサーク状態のシンが敵艦隊を八艘跳びで破壊している間、あんなにたくさんいたウィンダムはどこにいたのかしらん。モビルアーマーと戦っている間もいませんし。今見返している『Ζ』だと、こういう状況では、まず間違いなく「インパルス、離れすぎだ!」とか「奴らは速くて追いつけない!」とか「ウィンダム隊を速く呼び戻せ!」という台詞が入りますけど。

(2004/12/26)追加分
 もう一つの大ポカについて、まだ、ツッコミを入れていませんでした。

 異様に近すぎる敵艦隊。

 敵艦隊はミネルバから目視できる距離にあったので、水平線までの距離以内にいた事になります。
 軍艦の艦橋から見た水平線までの距離は、だいたい10kmぐらい。
 
 一方、空母の艦載機の航続距離は、現代のF15戦闘機で、増槽なしでも4600kmぐらい。飛行ユニット付MSの航続距離がこれより少ないとしても、いくらなんでも、数十km以内という事はないですよね。
 目視範囲内で、艦載機を発進させ、しかも戦闘中その距離内に留まりつづける理由は、全くない。


 さらに、敵艦隊、ミネルバに向かって砲撃やミサイル攻撃などをほとんどせず、ほとんど艦載機MSの母艦としてのみの役目をしていました。
 ミネルバを補足するために接近していたとしても、全艦集合している必要もなく、一隻か二隻だけ出すか、もっとまともな方法としては、偵察MS/航空機/潜水艇を飛ばすだけですむ事ですし。しかも今回、ミネルバの航路は事前にわかっていたわけですし。


 空母の仕事しかしていないのに、なぜ、わざわざミネルバやインパルスの攻撃が届く範囲内に超接近しているんだ、敵艦隊?それも、ソード装備(飛行装備では無く)のインパルスがつっこんだら、海に落ちずに届くぐらいの、超間近に。


 しかも、守りを固めるべき艦載機MSは、沢山いたはずなのに、インパルスが突撃してきたときには、なぜか全く姿を見せないのが、馬鹿の上塗り。