トリビアの泉

(2004/10/9 注 なんだか本宮ひろ志氏の漫画でこの手の問題が紛糾しているようなので、先に、そそっかしい人向けに念を入れてれて説明しておくと、以下の文章は”実際の現場ではありえない状況の実験を見て””刀一本で一対多でチャンバラをやる時代劇みたいにスパスパ切れるし、石川五右衛門みたいに銃弾も切り落とせる”と勘違いしている方々を対象にしたものです。南京大虐殺の人数とか内容とかに言及する気はなし。念のため。どうしてもできると熱弁する方は、屠殺されて解体前の牛か豚を、一人で10体以上、日本刀で首や脚をはね落としたという実例でもどうぞ)
 日本刀シリーズ第三段。
 今回はいきなりブローニングM2(50口径)重機関銃。拳銃で負けたからっていきなりこれは、大人げないです。さすがに皆わかっていて「六発までも耐えただけでもすごい」という評価。

 まあ、拳銃弾を切ったのを見て、「日本刀は何でも切れる」と勘違いした一部の人への教育にはよかったのじゃないですか。
 いや、南京大虐殺に関して、「あんなに切れるなら日本軍は日本刀でたくさん中国人を切り殺せただろう」「百人切りで虐殺可能なのが証明された」という、トンデモな事を言っている例もあったので。
 これ。
日本刀VSピストル真剣勝負(笑)
http://homepage3.nifty.com/m_and_y/genron/data/nangjin/hyakunin/trivia.htm

 念のために、実際の現場では、あんなにスパスパ日本刀で切れない理由の説明。まず、番組中でやっていた「確り保持して」「完全にまっすぐ正対している」という状態を人の手でやるには相当の訓練が必要。だから剣術では練習するし、切腹介錯などでも訓練した人間がよく狙ってからしている。
 さらにいうと、人間などを切ると、血や脂身が付着してどんどん切れ味が鈍る上に、肉と骨など形も硬さも一定でないものが組み合わさっている人体相手だと、どうしても「完全に真っ直ぐ」にはならないので、刃にも負担がかかって消耗する。

 拳銃弾を切れたあれば、「さほど硬くなく(鉛弾なら骨の方が硬い)材質も均質な拳銃弾が」「弾の方から高速で(つまり相対速度的にみると、人力では不可能な速度で刀が振るわれている事になる)、完全に正対した状態で真っ直ぐ突っ込んできて」「なおかつ日本刀の方が人力では不可能な力で固定されている」という、十三代目石川五右衛門ジェダイ騎士でもない限り、実際に日本刀を使う現場ではまずありえない状況だったから可能になった事。