『特捜戦隊デカレンジャー』は相変わらず素直に面白いなあ。

 今回は、萌え視聴者向けには女性人二人のチャイナドレス着用活躍、オトコ視聴者向けには「飲んだら乗るな」と酔いつぶれたピンク用デカマシーンの運転代行に駆けつけたボス デカマスター
 戦隊ロボの飲酒運転ネタといえば、タイムレンジャーで、グリーン以外は全員二日酔い状態で、グリーンが必殺技を決めた時に、ヘルメットの中で吐くという悲惨な目にあったというエピソードもありました。

 なお、前回、前々回のデカベースロボ登場編は、デカベースロボの登場活躍シーンとか、デカマスターズバット的アクションとか、脚本に関係ない部分では面白かったですけど、脚本自体は、いかにもその回担当の武上氏らしい、強引、大味、工夫なしな代物。いつもやっている「奇をてらっていないけど面白い話」ではなく、ただ単に「つまらない話」。
 セン(グリーン)が、アンドロイドのフローラを、冒頭で保護していきなり「怖いといっていたから感情がある」と主張した上に、いきなり感情育成をやりだすって、いかにも、「人間性はすばらしい」という結論が先にあってそこから短絡的な導入と進行過程しか思いつかない、いかにも武上脚本。
 たとえば、「いきなり分解調査するよりも、しばらく観察した方がいいと主張するセン」「そうして行動を観察しているうちに、フローラに人間性があることを見出し、たんなるアンドロイド以上の価値を見出し、自然と人間的に接するようになる」「それを受けてフローラも自ら人間性を進歩させていく」という展開にすれば、数段よくなるのに。実際の脚本じゃあ、アンドロイドに勝手に思い入れして、一方的に人間的価値観を押し付けて、体験学習によるプログラミングをしただけだよ。

 デカベースロボの一連の変形、登場シークエンスは非常に良かったのですが。あとは、もっと頑張って、ビーム乱射だけでは無く、敵と体格が同じ事をいかして豪快な格闘技を仕掛けるとかすれば、さらによかったのですが。


 『仮面ライダー剣』は、最近、アクションシーンや話の諸々の問題も改善してきました。前回までの井上氏脚本担当期間では、桐生のあばれっぷりとか、ギャレン復帰時の戦闘での今までで最高のアクションとか、今までのが嘘みたいな良さ。
 今回から散々酷評されてきたメイン脚本の今井氏に戻りましたが、今回は「リスクを考えずに力を望む睦月(レンゲル)と過去に同じ失敗をしたことがある橘(ギャレン)」「虎太郎を中心とした状況」と状況が大分整理されているおかげで、今のところ大きな問題はなし。
 始(カリス)も、相変わらず、自分がロリコンに染まっていくことに悩んでいて......違う?
 さて、来週は、序盤ではいかにも機械的にフラグを立てましたというやりかたで顰蹙と失笑を買っていた、剣崎(ブレイド)と虎太郎の友情話の、仕切りなおし挽回編ですか。

 しかし、「テーマは”職業ライダー”」とか「剣崎の基本設定”文武両道”」とかいうのは、忘れてあげて、時折作中に出てきても聞こえていないふりをしてあげた方がいいなあ。
 あと『ブレイド』のアレでナニな部分の最象徴である、SEEDでいえばラクス・クラインに相当する、烏丸所長の存在そのものとか。どちらも、「なんでやねん」「そんなバカな」とツッこまれまくりの行動を繰り返すところとか。状況を悪くしまくった元凶の癖に、その事が問題にされることがほとんどないということで。烏丸所長はまだマシですが、ラクスにいたっては、自己反省も、味方内からに批判もゼロ。いやあ、先月再登場した所長のやることなすこと全てが、悪い意味でのブレイド的そのものでしたので