おねがいマイメロディ 最終回

 正直、一番盛り上がったのは二話前の、クロミが「柊が一番気に入っているのは歌で、自分では無い」と思いつつも柊を救うために意を決して、魔法で柊の夢の中に入って柊の押し殺した夢を開放し、その中の最後にクルミ・ヌイクロミ 人間モード)が入っていたという話でしたが、最終回もマイメロらしく盛り上げてくれました。
 同じギャグだかシリアスだか判断に困る名作といえば、冷静に考えればギャグな事を堂々シリアスとして見せ切って「妙なノリだけど燃えるシリアスな話」にしていたのが『機動武闘伝Gガンダム』。一方マイメロは、明らかなギャグをシリアスなストーリー展開のシーンとして堂々見せて(柊がダークパワーの呪縛を振り払うというシリアスの極みのはずのシーンで、柊が必死で念じるのが「バクにキスされかけた嫌な思い出」)、「笑いっぱなしだけど、堂々シリアス」という、また普通ではまずできない事をしている。
 それにしてもマイメロのママ、今回大ナタみたいな包丁を振るって戦ったり、恐ろしくクールな調子で柊を問い詰めたりと、ほんとに怖い。
 とにかく一年、メルヘンキャラを崩さずに毒の効いたギャグをやるというのをメインに、話の方もしっかり描き、クロミとバクというアウトローコンビのドラマなどは特に充実して描いたなど、大満足の傑作でした。願わくは、来週からの二年目『くるくるワッフル』が、『メダロット』に対する『メダロット魂』みたいな体たらくにならない事を。