ゾイド ジェネシス 最終回
前回で頂点まで行ってしまったルージに、最終回でのドラマ的見せ場を持たせる手段が......絶体絶命の危機で初心にまで戻らせるわけですか。
大局的に見れば、ゲームの最終面で攻撃力と耐久力はやたら高い最後の敵一体を、味方数ダースで次々やられながらも少しずつ耐久度を削っていく......という結末がまず決まりきった状況ですが(もちろん大軍勢の迫力ある衝突も描かれていますが、ストーリーの骨子部分はそう)、それでも最後まではらはらさせてくれた。
この番組らしく逆転などの状況も、根性論や奇跡だよりでは無く、合理的な根拠をもって描かれている。
- ルージがムラサメライガーだけ動かせ、普通ではありえないほど性能を引き出せたのは、ムラサメライガーの刀に願掛けをしつづけていたから
- エヴォルトの原理がムラサメライガー復活の根拠にもなっている
- デッドリーコング復活、バックパックに独立したもう一体のゾイドがいるという設定を利用。バックパックの目の文様を光らせてその事を暗示する演出
- ラ・カンの助かった理由。バイオトリケラのバーリアの内側に入り込んでいたという、直前の状況を生かした、納得の行く説明
ただフェルミの最後は、真摯に助けにくるのはまるでらしく無いですし、無理に処理したという感じ。
全体を振り返ると、戦術戦略を理解してロボットアニメに適切に落としこむという事は非常に優れていましたし、シリーズ構成の整合性や脚本の合理性の部分もずば抜けて素晴らしい。ただ、ドラマ的な面では、破綻も無いですが、どうも基礎にプラスアルファが不足していて平坦。
追記
「ゆーずー無碍たる日記」での的確な総評(誉め言葉)
「有能な指揮者に指揮してもらった、素人貧乏交響楽団の演奏会」
http://d.hatena.ne.jp/yuzumuge/20060326
私の場合は、他所で言った事ですが
*1:性能はいいが、あくまでもジム規格内での堅実な作りで、特徴は”特徴が無いのが特徴”