交響詩編エウレカセブン

  • 11話「イン・トゥー・ザ・ネイチャー」
  • 12話「アクペリエンス・1」
  • 13話「ザ・ビギニング」
  • 14話「メモリーバンド」

 この番組、個々のシーン単位で見ると、出来はいいし、面白いのに、一話から数話のまとまった長さでみると、まるで面白く見えないし、先の展開への期待感も持てない。
 id:METHIEさんところでも少し書きましたが、結局、キャラクターの行動の原動力や、視聴者の関心を引っ張るための、小目的にも、大目的にも乏しい事が大問題。

 結局、唯一楽しめたのは、「重態の大好きな女の子を救う」という目的意識を持って、ドタバタ珍道中を描いた、13話「ザ・ビギニング」だけ。

 あの世界の天変地異の謎を解くとか、もっとスケールが小さく生活の糧を稼ぐための仕事を色々としているとか、あるいはただひたすら見事なリフをやってのけて世間に知らしめるとか、軍に執拗に追いまわされて生きるか死ぬかの状態に常に置かれて生存のための最大限の努力をしているとか......どれでもいいので、何らかの強い目的意識や行動の原動力があればいいのに、どれも「やらなくても別に困らない」「時々出くわすのでその場ごとにとりあえず対処」程度の事でしかない。

 ゲッコーテイストたちの、軍との対立や天変地異の観測、自分たちの活動を独自出版物で公開しているところなどを見ると、彼らの行動原理は、ヒッピームーブメントやハッカー(独自の自由な生き方をし、権力に抵抗し、情報をみなに知らしめること)そのものなのでしょう。しかし、そういう設定があると言うのと、それが実際に物語の推進ベクトルとして機能しているかどうかというのとは、別。
 キャラクターデザインなどが共通で、やはり体制からの脱出と自立である「エクソダス」が背景であり、物語の推進ベクトルとしてきっちり機能していた『キングゲイナー』と比べると、大きく見劣りがする。