機動戦士フリーダムガンダム(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)PHASE-35 混沌の先に

 キラとフリーダムが助かった経緯は、意外にもまとも。
 今回の話だけみるなら、大変良く出来ています。
 アスランの立場ならやも得ない、感情的で見当違いな怒りで、孤立を深めるのも面白い。
 議長が、自分自身では平和を高らかに謳いつつ、巧みに、人心を誘導して、まともな軍事行動で殲滅不能なロゴスメンバーを殺戮させる手際は、マキャベリズム的にお見事。『ジュリアス・シーザー』でのアントニウスの演説の手法。そしてそれに、まんまと乗せられてしまう、シン。

 しかし致命的な問題は、これまでに、「ロゴスの連中は世界平和のために殺されて当然」「キラ一党は超迷惑レベルの無能な働き者」としか描かけていないので、「議長がマキャベリズム全開で、キラ一党を抹殺し、ロゴスを皆殺しにしようとしても、正しい行動にしか見えない」こと。
 アントニウスを引き合いに出したついでではありますが、あの程度のマキャベリズム、アントニウスを倒して、ローマ帝国の平和を実現したアウグストゥスオクタヴィアヌス)もやっていたわけで。

 今回の一番の笑いどころのシーン。
 艦内の空気に、異常に馴染みまくっている、フラガ(記憶喪失中)。意図的にそう演出しているんでしょうけど。

余談
月姫キャラによる古代帝国解説所
http://members.jcom.home.ne.jp/0425590601/Empire.htm

 オクタヴィアヌスに関してはこちら。
http://members.jcom.home.ne.jp/0425590601/ca7.htm

 追記
こちらで指摘されていて思いだしたのですが、今回、種デスとは思えないほど、上手い、状況説明のための雑談台詞の使い方。
多事雑言(仮) http://d.hatena.ne.jp/oozeki/20050618
「ロゴスを討つとはいっても具体的に何をするつもりなんでしょうかね議長は?」
「名を挙げた企業製品の不買運動かな?」