スターシップ・オペレーターズ 第五話 グレート・エスケープ 前編

 惑星国家シンの惑星上に、補給や外交のために、艦を出て降り立ったところ、王国派のクーデターに巻きこまれ、アマテラスに帰還しようとして脱出を試みる話。
 今までの話と比べて、ずっと、活劇的に盛り上げやすい話のはずなのですけど......どうしてこのアニメは、ここまで脱力物の話しか描けないのでしょうか。
 問題は、一歩対応を間違えれば死という緊張感がゼロなこと。

  • 宇宙港のアマテラス。でも、クーデター軍の展開が遅かったり、宇宙港が盾になっていたり、レーザー砲台があったりで、当分大丈夫。こういう場合、敵とのにらみ合いで、お互いの動向を観察しながら、緊張しているものでは。
  • 情報部の娘さんの方は、あう人皆が物凄く協力的。しかしも、会話内容や雰囲気も呑気。こういう協力者って、危機一髪のところに現れてくれたり、緊張したりしているものでは。
  • シノンたちの組は次回に持ち越しの模様。

 原作でのこのエピソード、この手の話の定番を外した、ギャグ話なのでしょうか?しかし、第一話での、戦争に負けたので一般の大学に行こうかという台詞、原作の同じシーンの同じ台詞を確認すると「悔しさと落胆」とその心境が描写されていたのに、アニメ版ではずいぶん気楽な調子にしていたという、前科もありますから。

 他にも、駄目なところあり。
 シノンたちが、レポーターの逃亡の邪魔にしかならない仕事に、急に協力的なってしまう。そうなる前に、一度ぐらい、「レポーターはレポーターで大変」とお互いの苦労を分かち合いようなちょっとしたエピソードがいるのでは。軌道エレベーター(?)で同席しているシーンなんて、そのための絶好の機会だったはずなのに。
 情報部の娘さんが、前回伏線を張ったかと思ったら、今回であっさり素性を明かすのにも脱力。見事な手際を勘ぐられて誤魔化す面白さとか、あるいは、本来の仕事以外の事に手腕を発揮する事を自嘲するとか、もっとひねって、話を面白く出来るはずなのに。
 原作では、これらの事はこの話で行われていたかもしれませんが、アニメ版の進行は速いので、バカ正直になぞらなくてもいいでしょう。もしくは、伏線をもっと速い時期に張るとか。