クニミツの政 インフルエンザ問題

 週刊少年マンガ誌のジャンプとマガジンが出ていました。
 で、マガジンの『クニミツの政』年末からインフルエンザ治療での、どうも不適切な薬剤使用により薬害問題を扱うらしき気配で、そのときから嫌な予感がしていて、今週分を見たら......嫌な予感があたりました。
 なんでもかんでも薬に頼りたがる一般的な誤解(事実、インフルエンザ対策のページを見ても、市販の下熱効果のある風邪薬はかえって悪化させかねないので、使わないほうがいいと説明しています)や、不適切な薬の使用による薬害を批判するのはいいですよ。しかし「風邪/インフルエンザは、常に、薬を使わず安静にして寝ていれば直る」「だから薬は不要」と言わんばかりの書き方をして、体の弱いお年よりや子供、体力等が極端に低下している場合や、副次的な症状がこじれた場合、その他の場合等の、「薬がいる場合」「適切な程度の薬の使い方」を紹介しないのは、おかしいです。

 啓蒙目的なら、まずは、一般的な医学的根拠のあるインフルエンザ治療の諸説明を、薬の使用上の注意も含めて、要約して紹介するべきでしょう。「安静にしているだけで直るケース」だけでなく。不適切な薬の使用による薬害について述べるのはそれからでも遅くない。

 一般的な病院はヤブで、ヤブそうな医者が名医というのは、マンガ的にはわかりやすいでしょうけど、啓蒙目的でやられると、病院への偏見を持たせるだけでは。

 というか、今回のクニミツを見ると、まるで医者が「薬を使わず安静にして直す」という治療方法を隠しているかのような書き方をしていますが、ちょっと調べるだけでも、”医者からの注意”として「薬に頼るよりも安静にする事」ということが、ちゃんと説明されていますが。

 本当に薬がいる場合に、これを真に受けて、薬を飲まな無い人がいたら、そうするのですかね、マガジン編集部?実際、いいかげんな健康本やテレビ番組、俗説、を真に受けて、本当に必要な医者の処置や薬を受け付けないという人はしばしばいるのです。
 ......まあ、同じクニミツのもっと無茶苦茶な内容だった農薬問題とか、劣化ウランの『汚れた弾丸』(念のためにいうと、私は劣化ウラン弾の反対運動自体ははいいと思っています。データの裏付けや科学的根拠の無い話、反米イデオロギーのために論拠は二の次の話などで、「劣化ウラン弾核兵器」とかヒステリックにまくし立てるのに反対というだけです)とか、『MMR』など前科沢山のマガジンですから、屁とも思っていないでしょうが。