SAMURAI7 第3話「ご冗談を」

 ゴロベイ仲間入り。

 基本プロットや要所は原作に沿いながら、上手い具合に2クール分に長くなった尺向けに話をアレンジしています。
 仲間集めの過程も、勘兵衛が農民に味方することを決めてからは割とすんなり集まっていた原作と違って、街の有力者と戦いながらという形にアレンジ。
 カツシロウ関係のエピソードも大分膨らませてあります。原作では比較的すんなり、半人前ながらもメンバーとして認めてもらって、本格的なドラマ展開は村についてから。
 それがこの時点から、ヒロインを守る実力が無かったという事実を痛感して自分の未熟さを悔いつづけたり、カンベイになかなか戦力として認めてもらえないなど、尺をとって生真面目な未熟者ゆえのドラマが描かれています。
 有名な勝四郎が物陰に隠れて打ち込もうとするシーン。単純に見ればほぼそのままですが、原作よりカンベイとの心理的距離感がずっとある状態で、少しは考え直してもらっているか?ぐらいのニュアンスというように、上手い具合に用いています。
 あと米の大事さを説いてカンベイに村人の味方になるのを促すシーン。原作では村人を馬鹿にしていたはずの宿の客でしたが、こちらでは原作より、最初からの主人公勢への関わりがずっと増やされていたキクチヨで、原作に無かった役回りをしながらも自然。素性が原作準拠ならその伏線にもなっている。

 ゴロベイの強さも存分に描かれて、カンベイが侍と認めるようなレベルがどのような物かが存分に描かれています。
 最初にそこそこ強いカツシロウとキクチヨの強さを描き、それを苦戦させる変速的な技を使う敵側のサイボーグ刺客を描き、さらに変則戦法など使わなくてもずば抜けた強さとアクションを見せるそれをカンベイやゴロベイを描いている。飛んでくる高速の矢に瞬時かつ的確に対応するゴロベイの姿で「格」というのが高く見える。