「牙」 第1話

 カードゲームが原作?
 第1話としては良く出来ていました。
 すさんだ近未来都市を描写するのに、高いビルや狭い道が入り組んだ環境や、マスクの装備、狭い道用のバイク、一件健康そうに見えた主人公の友人の矯正ギブスなど、上手く描写できている。
 そして主人公が「この街を出てやる」という、良くある展開......と思ったら、先生が怪物になり、病院の母親が魔法使いのような事をするという、良い意味で意外な展開。
 主人公の友人が、一件それっぽく見えないのに、主人公より無鉄砲な行動をとるのも、くどくど説明しないながら、主人公との友情以外に、身体の障害(車を運転しているとき息をぜいぜいしているのでも、さりげなく描写)による人生観など、第1話でできる最小限の情報量ながら根拠を上手く出せている。


 しかし近未来都市の方は魅力的に見えるのに、どうも異世界パートの方は凡庸に見える。まあ、第2話以降で本格的に描かれるのを見ないと判断はできませんが、今のところは、下手に異世界に行くより、近未来都市の方で『シャドウラン』のような話にした方が面白くなりそうに思えてしまいます。