ウルトラマンマックス

 これが駄目なら、もう救いようが無いかと思っていた、黒田洋介脚本の話。
 出来の方は、ようやく、『そうだ、それだよブレイド』と言える、マックスに必要であろう内容が充分な物。
 子供の扱いが、単純に大人の考えるいい子でもなく、逆にむやみにわがままなわけでもなく、カジ隊員のだらしない姿に幻滅するという前ふりの上で、さらに怪獣退治に失敗したのを見てすっかりDASH不信になるという納得の行く段取り。カジ隊員が、いかにも子供を侮っているように安請け合いをするのに、さらに不信感を強めるというのも、ステロ的描き方ではない、子供の心境をよく描けている。
 怪獣を少年の持ち物だけで探知できた理由もちゃんと筋が通っているし、クライマックスでは、マックス、少年、カジ隊員の三者ともちゃんと活躍している。

 さらに裏読みすると、黒田氏による、先行エピソード群への批判とも取れる。
 これまでの問題は以下のとおり。

  • 子供だましな受け狙いばかりするDASH
  • マックスが戦っている間傍観しているだけのDASH

 「こんなことばかりしていると、現実の視聴者の子供にも、この今回の話の中の子供のように思われるぞ」という裏テーマ。
追記
 遅刻を反省して詫びるカジ隊員というのは必要だったと思います。