攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 第21話〜最終話

 今回も、タチコマによって、危機から救われました。

 全体を見終えた感想ですが、どうも今一。
 終盤は核という直接的な危機によって話を成り立たせていましたが、その背景となる、革命や政治対立、陰謀の焦点がどうにも定まっていないように見えるのが問題。
 合田の最終的な目的は、日本を取り巻く政治状況の改変というものでしたが、あの世界内のそれぞれの国の関係や、そのことによる利益、不利益が、視聴者にとって不明確なので、明かされたことによる満足感も、阻止できないことによる危機感も、阻止したことによる達成感も、どうにも乏しい。
 日本政府 対 難民という対立構造で話を進めていたのに、最終回あたりでいきなり、諸外国との関係をメインの問題にされても。

 作劇上の目的達成条件も、「笑い男事件の真相を明るみに出す」というのが明確だった前作終盤の展開と違い、不明確で場あたり的に見える。

 とはいえ、クゼという未来のネット時代の英雄の活動や、合田という社会現象や英雄を陰謀によって生み出す事によって自己表現をしようとする陰謀家等の描き方は面白かったです。
 ただそれでも、前作のシリーズ全体を通しての巧みな起承転結や、謎解き、結論などを描いていた「笑い男事件とその正体」と比べると、どうにも、今ひとつ。

評価:70点(前作は85点)