特捜戦隊デカレンジャー

第31話「プリンセス・トレーニング」
 『ローマの休日』&そっくりさんとの入れ替わり話。
 こういうのは、まず、姫様の逃げ出す理由がある程度妥当と視聴者に納得させないといけないわけですが、確かに逃げ出したくもなるという説得力充分。
 粗筋だけで説明すれば一見ありがちですが、理不尽さがどんどんエスカレートしていく儀式で笑いを取ったり、狙撃されたウメコが起き上がるシーンのよさとかで、きっちり楽しめるものになっていました。
 しかしウメコも、デカレンジャーのメンバーだけあって、笑いを取るだけでなく、しっかり狙撃対策や、犯人探しをしていて、有能である事を表現すると同時に、本人以外は真相を知っているのに取り残されている事で、笑いもとっていました。

仮面ライダー剣

 冒頭のジャックフォーム対決、そこそこ戦ったところで痛み分けで終わりというありがちな展開を予想していたら、まさかの、橘惨敗。せっかく回復したはずの、先輩としての威厳が、大暴落。
 まあ、そこから「剣崎の特異性」という方向に話が進んだ事も含めて、ありがちな展開にならず、よかったわけですが。

 脚本、今井氏もういりませんから、今からでも會川氏メインでやって欲しいです。

 しかし橘、また、変なオヤジにたぶらかされてるなあ。

名探偵ポワロとマープル

『エジプト墳墓の謎 前編』
 今回、エジプト到着時から現場到着までの間で、原作からの引き写しをしていただけですが、今まで無かった、ポワロのキャラクター性の描写がされていました。これがあるだけで、ずいぶん改善されたように、つい思えてしまいます。

 ただ、先にアニメ版の弁護的な事を書きますが、今回のエピソードの原作、30ページ程度の短編で前後編にするにはボリューム不足の上に、はっきりいってあまりできがよくないです。
 なにしろ、犯人とトリックの大筋は簡単に推理でできてしまうえに、犯行の計画もトリックも、犠牲者や関係者がちょっと用心深かったり気まぐれを起こしただけで、すぐ破綻してしまう代物。アニメ版の前編を見ただけでも、目ざとい人なら、すぐ犯人とトリックを推理できてしまうでしょう。

 もっとも、このアニメ版も、原作のボリューム不足を補うような上手い工夫が見られないです。
 あと原作では、今回のアニメ版の話で言えば始まって15分以内あたりで提示されている、重要な手がかりがなぜか伏せられています。どうもこのアニメ版スタッフ、ミステリーの醍醐味が各所に散らばった手がかりが解決編で組み合わさる事でカタルシスが生じる事がわかっておらず、単純にラスト近くまで手がかりを隠す事によって謎にすればいいと、勘違いをしているようにも思えます。
 今川鉄人の、今川艦長自身が脚本などを手がけた、『光る物体』(2004/9/27 注:動物たちの視線の本当の意味という部分)や、一連の敷島−ニコポンスキー−クロロホルムの関係の謎とかは、ミステリーの作劇をしっかり理解してやっているのですが。